『三つ巴』 「なぁ、リボーン?」 虚ろな目に映ったのは、癖の強い黒髪。 少し下がった目尻には長い睫毛。 ランボ? 違う、お前はランボじゃない。 ランボは そんなハスキーな声じゃない。アイツは酒も煙草もほとんどやらねーから。 確かに同じ質の声だけど、俺の名前を呼ぶときは もっと、綺麗な高い音を出すんだ。 お前は、誰 だ。 「お前…‥」 「お目覚めかい?リボーン」 「牛じゃ、ねーだろ」 「あぁ?」 気付くのが 少し遅かったな。 せっかくヒントを与えてやったのに。このシャツ、何処からどう見ても牛柄なんかじゃないだろう? 「ランボは 何処行った」 「さぁな」 恋人の牛君は、今頃お前の姿でも探して回ってんじゃねーのか? 自分と瓜二つな俺とこんな所に居るなんて、見当もつかずに。 「いーじゃねーか、あんな牛男」 「………‥」 「俺が相手してやるぜ?」 リボーン、と繰り返し呼ぶと目線を背けられた。 俺じゃ ご不満か? 所詮、同じ顔じゃねーか。 あの男より、俺の方がお前を満足さしてやれるに決まってるじゃねーか。 なぁ 別に俺でも、誰でも構わねーんだろ? 「──‥リボーン!」 高い声が聞こえたのと同時に、リボーンの眉がピクリと跳ねた。 今俺の背後に居るのであろう男の気配にに軽く舌打ちをし、それでも 口許には少し愉快そうな笑みを浮かべながら、振り返る。 「なんだ、来ちまったのか?」 息を切らしながら此方に掛け寄ってくるランボの姿を視界に入れながらも、彼を見据えたままでいるリボーンの首に手をかけた。 「なっ‥に、して」 「ちょ、ちょっと!」 「今此方に来たら、コイツ死ぬぜ?」 お前の可愛い恋人が。 お前と同じ顔の俺の手で殺されるところ、見たいのか? 「せっかく三人揃ったんだ」 手にしていたリボーンの首を、おもいっきり床に叩き付けて 「ちょっとくらい、愉しく遊んでみねーか?」 ランボにはとても出来ないような 歪んだ表情で、ロメオは声を上げて 笑った。 ランリボ前提ロメリボ.シリアスお題02. あれっ、微妙にお題に沿えてない... †2006.3.31